職員アンケートの仕組みと活用法|福祉サービス第三者評価に役立つポイント

はじめに
福祉サービスや保育施設では、職員の声を把握し、運営改善に活かすことが重要です。第三者評価では、職員アンケートが評価資料の一つとして用いられます。
ただし、誤解されやすい点として「アンケートは園や施設が自分で作る必要がある」と思われがちですが、実際には評価機関や自治体が用意する書式に沿って実施されることが多く、職員は匿名で評価機関に直接回答します。
弊社では、大阪府が提供する書式をもとにアンケートを作成していますが、評価機関や実施する都道府県によって方法や書式が異なる場合があります。この記事では、評価機関の立場から、園や施設が理解して活用すべき職員アンケートの仕組みと運用のポイントを解説します。
第1章 職員アンケートの目的と特徴
職員アンケートの目的
職員アンケートは、職員の業務状況や職場環境、サービス提供に関する意識を把握するための重要な資料です。目的は次の通りです。
- 現場の課題や改善点を把握する
- 職員満足度や働きやすさを確認する
- 第三者評価における客観的資料として活用する
職員の視点から現場の実態を理解できるため、評価機関は園・施設の運営状況をより正確に評価できます。
第三者評価における特徴
職員アンケートには、以下の特徴があります。
- 評価機関や自治体が設問・書式を用意
・弊社では大阪府提供の書式をもとに作成しています
・他の都道府県や評価機関では形式や設問が異なる場合があります - 職員は匿名で回答
・安心して本音を回答できる - 回答は評価機関に直接届く
・園や施設には回答原本は共有されません
この仕組みにより、職員が率直な意見を伝えやすく、評価の信頼性が高まります。
第2章 職員アンケートの流れ(園・施設の視点)
園や施設はアンケートを作る必要はありませんが、実施を円滑にする環境づくりが求められます。
実施までの流れ
- 評価機関や自治体からアンケート書式を受け取る
- 職員にアンケートの趣旨を説明
・匿名で回答できること
・回答は施設を経由せず評価機関に直接届くこと
・回答期限や回答方法の確認 - 回答環境の整備
・オンラインの場合はURLやログイン情報の配布
・紙の場合は提出箱の設置や回収方法の周知
園・施設の役割
- 職員が安心して回答できる環境を整える
- 疑問や不安のフォロー
- アンケートの趣旨と目的を正しく伝える
園や施設はあくまで「環境の提供」と「周知」の役割に徹し、内容には関与しません。
第3章 職員アンケートの内容
弊社では大阪府の提供書式をもとに作成しています。代表的なテーマは以下の通りです。
- 職場環境:働きやすさ、休暇取得のしやすさ
- チームワーク・コミュニケーション:職員同士の連携、情報共有
- 研修・スキルアップ:研修機会や実務での活用
- サービス提供:利用者対応が施設方針に沿って行われているか
- 安全・リスク管理:事故防止・緊急対応の安心感
- 組織運営:理念や目標の共有度
設問形式は、5段階(2択)評価と自由記述が中心です。他の都道府県や評価機関では形式や設問内容が異なる場合がありますので、都度確認が必要です。
第4章 アンケート結果の活用法
園・施設は回答内容を直接見ることはできませんが、評価機関から提供される集計結果や分析資料を活用できます。
結果の分析
・平均値や分布を確認し、課題の傾向を把握
・自由記述から改善につながるヒントを抽出
・部署・職種ごとの傾向も把握できる場合あり
改善への活用
- 職員へのフィードバック
「アンケート結果をもとに改善策を検討中」と共有 - 改善計画の策定
例:研修内容の見直し、チーム内情報共有の改善 - PDCAサイクルの実施
次回のアンケートで改善状況を確認
第三者評価でのメリット
- 職員アンケート結果を資料として提示することで、現場の声を反映した運営を示せる
- 利用者アンケートとの比較により、サービスの質向上の取り組みを客観的に示せる
第5章 職員アンケートを有効に活用するポイント
- 経営層の姿勢が重要
職員の声を尊重し改善に取り組む姿勢を示す - 結果を形骸化させない
集計だけで終わらせず、改善策につなげる - 継続的な活用
第三者評価だけでなく、日常の運営改善に活かす - 職員への丁寧な説明
匿名で施設を経由せず提出されることを理解してもらう
まとめ
職員アンケートは、園・施設が運営改善に取り組むための重要な資料です。
- 弊社では大阪府提供の書式をもとに作成
- 他の都道府県や評価機関では書式や形式が異なる場合あり
- 職員は匿名で直接評価機関に回答
- 結果は集計・分析資料として園・施設に提供され、改善策に活かせる
職員の声を反映した改善の取り組みは、利用者や保護者の安心につながります。評価機関としても、アンケートを適切に活用している園・施設は高く評価されます。
第三者評価をご検討中の方は、こちらよりお問い合わせください。